登記申請の際の定款の作成業務
登記申請の際に必要な定款の作成業務については、判断材料としては次の事実が確認されており、司法書士に扱えると主張する者と、司法書士には扱えないと主張する者がある。
1.行政書士に対しても、司法書士に対しても、定款作成が業務として扱えないとする司法判断はなされていない。
2.定款作成は司法書士の業務範囲外であると、司法書士法を所管する法務省が通達を出している。
「司法書士の業務範囲と弁護士法の関係について司法書士の業務範囲に関する照会の件」(照会)(昭和二十八年十月二十六日 法務事務次官宛 日本弁護士連合会会長照会)
会社設立に必要な書類のうち、登記所に提出するためのもの(例えば、会社設立登記申請書、登記申請委任状)の作成は、司法書士の業務範囲に含まれるが、しからざるもの(例えば、定款、株式申込証)の作成は、含まれない。なお、後者の場合において、書類の作成で法律的判断を必要としないものについては、弁護士法第七十二条の違反の問題を生じないが、しからざるものについては、その問題を生ずる。
3.司法書士による定款作成は、弁護士法違反になる場合もあると、法務省が通達を出している(前掲通達の「なお」以下)。また、日弁連ホームページにおいても警告が掲載されている。
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弁護士と司法書士との職域限界に関する声明 4.定款作成は行政書士法第1条の2に規定する行政書士の独占業務であり、非行政書士が業務として行うことは禁じられている。ただし、弁護士法により弁護士は法律事務を業務とする資格者であると規定されているため、適法に定款作成を業とすることができる。
5.無償での定款作成は、弁護士法においても、行政書士法においても、違法とはならない。当然のことながら、司法書士の職業にある者が、業務外の行為として無償で行う場合も適法である。
6.日本司法書士会連合会が発行する月報司法書士2005年8月号68ページ末尾から69ページの冒頭部分において、次の通り記載されている。
定款作成代理権を司法書士にも付与されるべきであるとの要望が挙げられた。これに対し執行部は、昭和二九年通達により、現在も司法書士に定款作成代理の権限はないものと扱われているが、現在法務省に対しこの先例の廃止の申し入れをしている旨答弁した。また、電子定款の認証について一部公証役場では司法書士による扱いを認めていないところがあり、このような扱いについて日司連として抗議をしている旨報告した。